プロジェクト機能とは?その可能性を探る

ChatGPTに新たに搭載された「プロジェクト」機能は、2024年12月13日(米国時間)にリリースされ、ChatGPT Plus、Pro、Teamsユーザー向けに提供が開始されました。この機能は単なるチャットツールを超えた、あなた専用のAIパートナーを作り上げるための便利な仕組みです。各プロジェクトごとに異なる設定やデータを活用できるようになり、従来のChatGPTの使い方に新たな可能性が広がります。

現時点でリリースされたばかりで全ての情報が公式で正式にアナウンスされているされているわけではありません。動作検証と調査で得た現時点での結論ですので後述の様なエラーやトラブルは往々にして発生する可能性はあります。メモリやカスタムインストラクションなどの重要な情報は必ず別媒体にバックアップしてから色々とお試しください。 なおここでの内容を実践した場合の結果に関しては自己責任です。
プロジェクト機能の基本的な概要
プロジェクト機能の特徴は、「会話や設定をプロジェクト単位で独立管理できる」という点です。これにより、以下のような利便性が実現します:
- プロジェクトごとのカスタム設定: 各プロジェクトで独自の設定を作成可能。
メモリの分離管理: プロジェクト内で記録したデータは他のプロジェクトには影響しない。- タスクの効率化: 各タスクに特化した環境を作ることで、作業がスムーズに。
激しく注意
筆者の環境だけかもしれませんが 2024/12/26にプロジェクト内でローカルメモリの0クリアを行ったときに
なんとメインのメモリもクリアされてしまい真っ青になりました。
プロンプトの与え方一つで事故が発生する可能性があるのでくれぐれもメモリは一旦すべて書き出して
別媒体に保存してから色々弄ってくださいね。
どうもクリアするときの命令を誤解するときがあるようでくれぐれもメインメモリを削除せずにプロジェクト内だけクリアしろとしつこく命令したら目的のクリアが可能でした。
ほんと注意してください
追記:メモリに関して
上記真っ青になったのはちゃんと理由があります。
OpenAIにも問い合わせてみました笑
メモリはあくまでメモリ。作業するときのChatGPTが長期記憶するためのメモ書きです。
不安定ながらも擬似メモリ的な動作は擬似的なメモリ空間をChatGPTが勝手に作りそれを実行した可能性があると笑
実際に擬似空間をシミュレートする様にタグが付加されたメモリ構造を作りだしてました・・
現時点ではっきりしているのはプロジェクト個別のカスタムインストラクションは正式に個別設定可能です。
しかしメモリは基本はグローバル参照となりますので、それらしき指示をChatGPTに出すと
擬似メモリ空間を作り出そうとしますが不安定になります。
結論としてメモリ空間はグローバルなメモ書きです。
ならばそこにChatGPTがおこなったタグ付きデーターで固有メモリ空間を作り出してやろうじゃないかと
現在格闘中↓笑

従来のメモリやカスタムインストラクションとの違い
従来のChatGPTでは、カスタムインストラクションはすべての会話に共通して適用される仕組みでした。しかし、プロジェクト機能では、以下のような違いがあります:
項目 | 従来の仕組み | プロジェクト機能 |
---|---|---|
スコープ | 全体の会話に適用され、共通ルールとして動作。 | プロジェクト内に限定。個別ルールを設定可能。 |
影響範囲 | メインの設定に変更を加えると、すべての会話に影響。 | 他のプロジェクトやメイン設定には影響しない。 |
柔軟性 | 設定の一貫性は高いが、柔軟性は低め。 | 必要に応じてルールを追加・変更・削除可能で非常に柔軟。 |
プロジェクト機能が提供するメリット
プロジェクト機能を活用することで、次のような具体的なメリットが得られます:
- タスクごとの独立性が確保される
記事作成、技術ドキュメント、リサーチなど、異なる目的ごとに専用の設定を持つことが可能。これにより、各プロジェクトが他のプロジェクトに干渉せず、効率よく作業を進められます。 - 柔軟な設定とカスタマイズ
プロジェクトごとに異なるカスタムインストラクション使用できます。例えば、ブログ記事用のテンプレートや特定のSEOルールを1つのプロジェクトに保存しておけば、その環境で最適な記事作成ができます。 - 安全で一貫性のある環境
プロジェクト内で行った変更やデータの保存はそのスコープに限定されるため、他のタスクやメイン設定を壊す心配がありません。 - 効率的な情報管理
プロジェクト内で特定のカスタム設定を保持できるため、特化した作業環境をすぐに立ち上げられます。これにより、一貫した情報管理が可能になります。
実験でわかった「プロジェクト」の活用方法

「プロジェクト」機能の真価を確かめるために、実際にいくつかのシナリオで実験を行いました。このセクションでは、その結果と得られた知見を具体的に解説します。
ローカルプロジェクトでWEBアクセスを試してみた
プロジェクト内でWEBアクセスを使用すると、特定のタスクや目的に応じた情報収集が簡単に行えます。たとえば、以下のような実験が行えました:
- 製品情報の検索: ローカルプロジェクト内で製品レビューや価格情報を調べることで、ブログ記事作成の素材を効率よく集めることができました。
- トピックリサーチ: 特定のテーマに基づく最新のトレンド情報を取得し、記事の内容を深めることが可能に。
結果、プロジェクトごとにWEBアクセスを利用することで、情報収集がより焦点を絞った形で進められることがわかりました。
カスタム設定の継承とゼロベースの再構築
プロジェクトの初期状態では、従来のカスタムインストラクションが自動的に継承されますが、必要に応じてゼロベースで独自の設定を再構築できます。以下のようなパターンが特に効果的でした:
- 継承モード
- 記事作成で使い慣れたカスタムインストラクションをそのまま活用。
- 必要最低限のカスタマイズで素早く作業を開始。
- 独立モード
- 新しいテーマや特殊なルールが必要な場合、プロジェクトの設定をゼロから構築。
- 他のプロジェクトやメイン設定に影響を与えず、安全に試行錯誤が可能。
これにより、プロジェクトのスコープに応じた柔軟な運用が実現します。
キャンバス機能との組み合わせの利便性
長文の文章や技術文書を扱う場合、「プロジェクト」と「キャンバス機能」を組み合わせると非常に効率的です。具体的な例として:
- ブログ記事の下書き: プロジェクト内の設定を参照しながら、キャンバスで記事を構築。
- 技術ドキュメントの作成: セクションごとに細分化し、プロジェクト内で保持しているテンプレートを活用。
キャンバス機能の起動方法
キャンバス機能を利用するためには、画面上に専用のスイッチやボタンがあるわけではありません。代わりに、「キャンバスを起動してください」などのプロンプトを使った指示が必要です。これにより、プロジェクト内でキャンバスを立ち上げ、そこでの作業を開始できます。
この手順により、直感的にキャンバスを利用することが可能です。
「プロジェクト」機能を使ったこれらの実験を通じて、設定の柔軟性や情報管理の効率性が向上することが確認されました。次のセクションでは、さらに具体的な活用シナリオについて解説します。
実践!プロジェクト機能を使った具体的な活用シナリオ

プロジェクト機能の活用方法をより具体的にイメージできるよう、いくつかの実際のシナリオを例に解説します。これらの事例を参考に、あなたの作業に適した使い方を見つけてください。
ブログ記事作成の効率化

ブログ記事の作成には、プロジェクト機能が非常に有効です。特に、記事ごとに異なるテーマやターゲットに合わせた設定が必要な場合に、そのメリットが際立ちます。
活用例
- テンプレートの利用: 各プロジェクトに専用の構成テンプレートを保存しておき、H2やH3の見出し構造を自動的に適用。
- SEOルールの適用: プロジェクトごとにキーワードやメタディスクリプションの指針を設定しておくことで、記事作成中に迷うことなく作業が進められる。
- 継続的な更新: プロジェクト内でメモリを活用し、記事のバージョン管理や再利用が可能。
技術ドキュメントの管理
技術的なドキュメントは、プロジェクト単位で管理することが多いため、この機能との相性が抜群です。
活用例
- プロジェクトごとの分離: 各技術プロジェクトを独立したプロジェクトで管理し、混乱を防ぐ。
- キャンバス機能との連携: 長文の技術仕様書やAPIドキュメントをキャンバスで作成し、整理された形でプロジェクトに保存。
- バージョン管理: ドキュメントの変更履歴や過去のメモリを利用して、いつでも以前の状態に戻れるようにする。
個別プロジェクトの柔軟な設定と切り分け
プロジェクト機能は、特定のタスクに集中する際にも非常に便利です。例えば、マーケット調査や製品レビューを行う場合、設定を切り分けることで効率を上げられます。
活用例
- 製品レビュー: 1つのプロジェクトで特定の製品に特化した調査内容を記録し、次回以降も再利用可能。
- リサーチタスク: プロジェクト内にメモリを活用して関連情報を蓄積し、チームメンバーと共有するような使い方も可能。
- タスクごとの集中: プロジェクト内の設定が他に干渉しないため、特定の作業に専念しやすい。
プロジェクト機能を活用することで、目的に応じた作業環境を瞬時に構築し、効率を大幅に向上させることができます。次のセクションでは、プロジェクト機能の未来とさらなる可能性について考察します。
プロジェクト管理について


画像の通りなんですがそれぞれのプロジェクト毎にそのプロジェクトの固有の環境を持った個別の記事や技術データーなどのChatGPTを起動できます。
それぞれのプロジェクト名クリックすれば新規セッションが立ち上がりますので気軽にその専用環境で新しい記事などを生成できますね!
感覚的には従来からあるGPTsと似ているといえば理解しやすいでしょうか・・・?
GPTsはグローバルに公開できたりしますがプロジェクトはあくまで個人利用ですね
まとめ

ChatGPTの「プロジェクト」機能は、これまでのAIアシスタントの使い方に革新をもたらすツールです。カスタムインストラクションとメモリを活用し、目的やタスクごとに最適化された作業環境を提供します。
ChatGPT「プロジェクト」機能の総括
本記事では、「プロジェクト」機能の基本的な仕組みから活用方法、さらに未来の可能性までを解説しました。この機能を利用することで、以下のようなメリットが得られることがわかりました:
- 作業効率の向上: プロジェクト単位で設定を分離管理できるため、各タスクに専念できる。
- 柔軟性と安全性:
メモリや設定がスコープ内に限定されることで、自由度が高く、他に影響を与えない。 - カスタマイズの簡便さ: 各プロジェクトに応じた特化したルールやテンプレートの設定が可能。
あなた専用のパートナーを作るための一歩
「プロジェクト」機能は、日常的な作業や専門的なタスクにおいて、ChatGPTをより有能なパートナーへと進化させる鍵です。特に以下のような場面で効果を発揮します:
- ブログ記事や技術文書など、テーマごとに特化した作業。
- チームや個人プロジェクトの効率的な管理。
- 試行錯誤が求められる新しい取り組み。
ぜひ、この記事を参考に、ChatGPTの「プロジェクト」機能を実際に試してみてください。あなたの作業がこれまで以上に効率的で楽しいものになるはずです!