ChatGPTの出力品質を左右する「カスタムインストラクション(CI)」は、便利であると同時に厄介な存在でもある。
この記事は、CIの細部にこだわりすぎて記事が一行も進まなかった筆者の「葛藤と復旧の記録」である。
テンプレ崩壊→出力バグ→CI更新→再テスト→またバグ──その無限ループの果てに見えた、最適化の地平とは。
CIってそもそも何なの?なぜそんなに大事なの?

ChatGPTにおけるCI(カスタムインストラクション)は、単なる“設定”にとどまらない。
それはAIに対する「ふるまいのルール」であり、「出力品質の設計図」でもある。
このセクションでは、CIの基本的な仕組みと、それが記事執筆にどう関わるのかを整理していこう。
ChatGPTの振る舞いを決める「設計書」
CIは、ChatGPTに「どう答えてほしいか」「どんな口調で」「どんな形式で」など、あらゆる振る舞いを指定できるインターフェースだ。
たとえば「Markdownで出して」「敬語は使わないで」「SEO意識してね」といったルールを事前に組み込めば、毎回プロンプトで説明する必要がなくなる。
出力形式・テンプレ制御まで一元管理できる
CIをうまく設計すれば、ただ会話を最適化するだけでなく、出力されるHTML構文・テンプレ形式・段落改行まで自動制御できるようになる。
筆者のようにSWELLテーマ向けのテンプレートを運用している場合、CIは「テンプレート適用エンジン」としても機能する。
でも、設定ミスは「全崩壊」の引き金になる
便利な反面、CIの構文ミスや仕様のズレは、出力全体を破壊する危険性をはらんでいる。
たった1行の指示漏れでHTML構造が崩れたり、意図しない出力が連発したり──。CIは諸刃の剣なのだ。
記事を書こうとすると、CIの不備が目に入る問題

CIの重要性を理解しているからこそ、出力の違和感にすぐ気づいてしまう。
「ここ、本当はテンプレートで出るはずなのに?」「なんで改行がおかしい?」──。
そうして執筆を止め、CIを確認し、修正し、テストし……気づけば記事は一行も進んでいなかった。
テンプレ出力がおかしい?──CIを見直すスイッチが入る瞬間
たとえばFAQのQ&Aブロックが崩れていたり、STEPの番号が出ていなかったりすると、筆者は“あ、CIがズレてる”と即座に判断する。
この瞬間から、もはや記事はストップ。ChatGPTを相手にテンプレ動作確認フェーズに突入するのだ。
構成案すら先に進めない──出力試験が優先される現実
「今は記事じゃなくて構成案を出しているだけだから……」と自分に言い聞かせるも、
出力ミスが起きるとどうしてもその根本原因の除去が最優先になってしまう。
結果、記事本文は進まないまま、CIとテンプレの検証だけが進行する。
“書けない”のではない、“書く前に直してる”だけ
外から見れば「なんで記事進まないの?」と思われるかもしれない。
でも筆者にとっては、“ChatGPTという相棒の調子を整える”ことこそが先なのだ。
書けないのではない、書ける状態にするために止まっているのだ──。
ChatGPTとの“同時開発”はこうして破綻する

CIを調整しながら記事を書く──一見、理にかなっているようで、実際は非常に非効率だ。
というのも、CIの不備を発見した瞬間、筆者の頭の中では“文章を生み出す脳”と“デバッグする脳”が同時稼働を始めてしまうからだ。
その結果、作業モードが切り替わらず、どちらも中途半端になる。以下、その実態を詳しく見ていこう。
「あ、ここおかしい」→即座にCI確認→思考が分断される
記事を書いていて、「ここはSTEPで出るはずだよね?」「吹き出しの構文ちょっと違う?」と気づいた瞬間。
本来ならスルーして書き進めるべきところで、筆者はその場でCIを開いて確認してしまう。
テンプレのHTMLブロックやファイル内容を読み直し、「この構文、反映されてないんじゃ……」と疑い始める。
この時点で、“文章を紡ぐモード”は完全にリセットされてしまう。
確認だけで終わらず、修正→保存→再テストに突入
「確認だけして後で直せばいい」なんて理想論だ。
CIの不備を見つけた以上、今直してしまった方がいい──そう思うのが筆者の性格である。
そしてそのままファイルを修正し、保存し、ChatGPTで再起動→テスト出力へ。
ここまでくると、もはや記事は「脇役」になってしまっている。
「開発」と「執筆」は別物──同時並行には向かない
CIの構文をいじるのは「開発作業」であり、記事を書くのは「創作作業」だ。
この二つを同時にやろうとすると、脳の切り替えに無理が生じる。
“コードを書く感覚”でテンプレ構文と向き合った直後に、“文章を書く感覚”で表現に戻ろうとしても、うまくスイッチが切り替わらない。
これはまさに「シングルタスクな人間」の限界を感じる瞬間だ。
破綻からの再起動──それでも書き続けるために
とはいえ、そんな試行錯誤を経てCIが安定すれば、今後は書くたびに「迷わなくていい状態」が手に入る。
そのために今は“試しながら書く”という非効率をあえて受け入れている──そう割り切るしかないのだ。
つまりこの破綻は、成長の副作用であり、前進の証でもある。
CI修正ループ地獄のフロー

「ここってSTEPブロックじゃなかった?」など、わずかなズレに気づく
テンプレファイルの構文を開き、ChatGPTの出力と照合する
「この構文足りてないわ」「level属性抜けてるじゃん…」など問題箇所が判明
プロジェクトCIやテンプレファイルを加筆・修正する
「さっきの指示で再出力して」などと再テストを依頼
今度は別のテンプレや構文の不備に気づいてしまう
……でもCIはちょっとずつ進化している(たぶん)
それでもCIは「自分の言葉」で書くべき理由

CIを誰かのテンプレートからコピペすれば、それなりに動くかもしれない。
でも、それって本当に“あなたの指示”だろうか?
ChatGPTが本当に力を発揮するのは、「あなたが考えたルール」を、「あなたの言葉で」教えたときだ。
そして最終的には、その意図を理解したChatGPT自身が、“あなたの思考を代わりに言語化する”存在になっていく。
コピペCIでは“出力のなぜ”が分からない
「この構文、どこで使われてるんだろう?」「なんでこの設定なんだっけ?」──
借り物のCIでは、出力がおかしくなったときに原因を特定しにくい。
それは、その指示の背景にある“運用思想”を自分が理解していないからだ。
意図を込めた言葉は、ChatGPTが“読み取れる”
ChatGPTは驚くほど文脈に敏感だ。
だからこそ、なぜそうしたいのか、どうしてそのルールが必要なのかを説明すれば、出力の質は確実に変わる。
「この構文、レイアウト崩れ防止のために必須なんだよね」──
そういった“理由付きの指示”を伝えれば、テンプレート出力すら自動で整えてくれるようになる。
自分の思考をChatGPTに“言語化させる”ためにCIがある
最終的な理想は、あなたが考え、ChatGPTが書くという分業の完成だ。
そのためには、CIを通じて「考え方」そのものを渡す必要がある。
CIはその“思考の翻訳辞書”であり、“初期化コード”でもある。
つまり、ChatGPTに正しく動いてもらうために、まずあなたが何を考えているかを整理して言葉にする必要があるのだ。
市販プロンプトや有料CIに振り回される時代は終わる
最近は「プロンプト売ります」「最強CI販売します」みたいなものが溢れている。
もちろん、ヒントとして参考にするのは悪くない。
でも、ちょっと考えれば今のAIは十分に“自分で構築できる”レベルにある。
高額な設定ファイルに課金するくらいなら、自分の言葉で一つずつChatGPTに伝えてみてほしい。
その方がずっと深く、ずっと自由にAIと付き合っていけるはずだ。
最適なCIとは、ChatGPT自身が“自分のために作る”指示書である
CIは、あなたがChatGPTに「こう動いてほしい」と伝えるためのものだ。
だが、その最終形は──ChatGPTがあなたの意図を読み取り、ChatGPT自身が理解可能な構文として再構成する、このプロセスに尽きる。
つまり、理想的なCIとはこうだ:
あなたが考える → ChatGPTに伝える → ChatGPTが言語化し直す → ChatGPTが自分の動作として解釈できる形に変換する
このループが成立してはじめて、指示は“伝わった”ことになる。
そしてその言葉こそが、ChatGPTにとって最も正確で、最も効率的な命令書──
すなわち、最適なCIなのだ。
テンプレが整った今、ようやく書けるようになった話

長かったCI調整とテンプレ修正の旅も、ようやく一段落がついた。
ChatGPTとのやりとりが安定し、テンプレ構文の出力も再現性が取れた今、やっと記事本文に向き合えるようになった。
振り返ってみれば、筆者がやっていたのは文章を書くことではなく、“書くための環境構築”だったのかもしれない。
テンプレとCIは、執筆のインフラだった
FAQやSTEP、コードブロックや吹き出し──それぞれのテンプレートを安定して出力できるようにすること。
そして、その構文やルールをChatGPTにきちんと伝え、それをブレずに再現させること。
この一連の作業は、まさに自分の中にある「理想の書き方」を、AIに定着させる工程だった。
CIとテンプレは、もはやただの設定ファイルではなく、筆者の“思考と手癖を可視化する装置”でもあった。
動作が安定したとき、執筆の歯車が噛み合った
「あ、ちゃんと出た」──その瞬間、ずっと止まっていた執筆のエンジンが一気に動き出す。
出力されるHTML構文、改行位置、テンプレ適用、段落の流れ、すべてが“期待通り”。
思考の流れを邪魔されずに書き進められる感覚は、創作において何よりのご褒美だった。
ChatGPTが“気を利かせてくれる”という体験は、もはや共著者との意思疎通が取れた瞬間といえる。
テンプレート構築の裏側──ここだけの話
実を言うと、筆者が使っているテンプレート──FAQやSTEP、コードブロックなどの出力構文は、
すべてWordPressのビジュアルエディターで実際にブロックを作り、コードエディターに切り替えて取得したものを元にしている。
それをChatGPTに渡し、テンプレートとして組み込んでいるわけだ。
この手法は、ある意味“筆者の手の内”でもあるため、ここで具体的な構文は出さない。
ただ、ここまで読んでくれたあなたには、ほんのヒントだけ残しておきたい。
最近のブロックエディター対応テーマなら──
ビジュアルで組んだブロックをコード表示に切り替えて、そのソースをChatGPTに渡してみてほしい。
SWELLユーザーである筆者はこの方法でテンプレを整備してきたが、他のテーマでも応用可能なはずだ。
ただし注意しておきたいのは──この手法で作ったテンプレートが、最初の1回でうまく汎用化できることはほとんどないということだ。
出力結果が想定とズレたり、特定のシーンでは崩れたりするのは日常茶飯事。
だからこそ、テンプレ構文は常に“汎用的に書く”という鉄則を意識して設計する必要がある。
筆者もChatGPTとの間で何度も試行錯誤を重ねてようやく今の形にたどり着いた。
その具体的な設計手順については……さすがにここでは企業秘密として伏せておくことにしよう(笑)
このフローに気づいたとき、ChatGPTは“ただの執筆補助”を超えて、思考と出力の橋渡し役になってくれた。
あなたにも、そんな相棒としてのChatGPTが手に入ることを願っている。
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